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からっぽ [創作,ポエム,詩]

降りしきる雨は否応なしに体温を奪っていく
天には月の光も影もなく不気味な漆黒が迫る

いつか見た街灯は黄金色にまぶしく
そして暖炉のように熱く無償の愛があった

移りゆく季節と蟻地獄から出られない自分
小さな成功と大きな失敗
やり直しのきかない舞台の上で踊ると
見えない蜘蛛の糸が両足に絡まるようだった
人のチカラなんて蟻のように小さく無力

やがて歩みは止まり崩れ落ちると
感じることをやめた

笑いあう家族の通り過ぎた石畳
街灯の明かりが照らす冷たさと悲しさ
小さく跳ねて散る涙の音に耳をすませると
幸せそうなやさしい顔でそっと目を閉じた


【後記】
雨、夜、人の気配の無い街などのシチュエーションが好きです。
人がいなくなったときの「空(カラ)」の感じです。

タグ:ポエム 創作
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